コンピュータクラブハウス加賀半年が経ってのご報告

昨年度、ふるさと納税を活用し、本年5月に石川県加賀市にコンピュータクラブハウス加賀を設置しました。

そして、その報告会を12月1日に加賀市で、12月8日に東京で実施の段取りを組んでおります。

一方で、ご寄付いただいた方から「もっとクラブハウスの活動や寄付金の使途について報告してほしい」とのお声も頂戴しました。また、先日クラブハウスに来訪した市長からも「良いことなのでどんどん情報発信しましょう」との激励もいただいており、今後活動内容の発信に力を入れていこうと思います。

2018年12月ふるさと納税クラウドファンディング開始

昨年度、石川県加賀市と、みんなのコードは、ふるさと納税クラウドファンディングを活用し、コンピュータクラブハウスを設置しました。

背景としては、みんなのコードは、2020年の小学校でのプログラミング教育必修化を支援してきました。しかし、学校内では時間数が限られていたり、学校に馴染めず不登校の子どもには機会を提供できない、という課題を感じておりました。

そこで、「全ての子ども」に「学校外での発展的なこと」をするために、より包括的なプログラミングを楽しむ機会が増える機会を子どもたちに提供するべく、本取り組みを行うこととなりました。

コンピュータクラブハウスとは、1993年に米国・ボストンで初めて設立された、子どもたちに「いつでも」「安全に」「テクノロジーを知れる」コミュニティのことです。加賀市とみんなのコードは学校や家庭以外にも、テクノロジーに触れることのできるサードプレイスを創ることで、子どもたちの得意や隠れた才能を発掘し伸ばしていきたいと思い、実施に踏み切りました。

返礼品のないふるさと納税でしたが、趣旨に共感いただき、ご寄付いただいた皆さま、改めて心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

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ご寄付いただいたみなさまありがとうございます!

そして2019年4月にはコミュニティマネージャーとして末廣が入社し、加賀市常駐でコンピュータクラブハウス加賀を運営する体制ができました。

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私(左)、末廣コミュニティマネージャー(中)、宮元陸加賀市長(右)

2019年5月25日に無事オープン、正式スタート

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開所初日の様子

2019年5月25日(土)に開催された開所式では、宮元 陸加賀市長をはじめ、多くの行政・教育関係者や、加賀市内の小学生・中学生20名が出席し開催されました。

開所式では、宮元 陸加賀市長からのご挨拶、来賓として馳浩文部科学大臣からのご挨拶、米国・クラブハウス本部 事務局長のGail Breslow氏からのビデオメッセージ、来賓と参加した子どもたちとのテープカットが行われました。開所式終了後には、子ども向けのプログラミングワークショップも実施され、多くの子どもたちが電子工作やハッカソンに挑戦しました。

オープンしてから半年、850人の子どもたちに機会提供

オープンから半年。来場者約850人と盛り上がりを見せてきています。来場される方は市内外問わずその背景も様々です。初めは手探りで運営をしてきましたが、最近ではコンピュータクラブハウスが提供できる価値も明確になってきたので事例と合わせて紹介をしたいと思います。

コンピュータクラブハウスには設立当初から果たしたかった大きな役割があります。「才能発掘の機会提供」と「没頭できる環境提供」の二つです。 こちらはまさにその真価を発揮し、多くの子どもが本来出会うはずのなかった自分の側面を見つけつつあります。今回は数多くある事例の中から2人ほど事例を紹介させてください。

まずは一人目。 彼、まごう事なきエンジニアです。

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現在、小学5年生の彼は独学でJavaというプログラミング言語をメインに学習を進めています。 コンピュータクラブハウスが主催するイベントにおいては、年上の人たちの中にあっても一際輝いていたのを覚えています。 開発に関して高校生と意見交換をしているのを見た時は思わず鳥肌が立ちました。

2人目 彼、スーパークリエイターです。

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クラブハウスを訪ねた動画制作のプロに動画をみてもらいアドバイスをもらう様子

小学3年生ながら動画編集はお手の物、なんとクロマキー合成までこなしてしまいます。元々は地元のお祭りのPR動画を作りたい!とコンピュータクラブハウスを訪ねてくれました。現在では、脚本作り撮影動画編集と半年近くにわたるプロジェクトに取り組んでいます。

「次はゲーム実況の動画を自分でつくってみたい」という野望もあり、昨今YouTuberが小学生のなりたい職業ランキングで脚光を浴びていますが、彼の将来はYouTuberでしょうか。

もう一つ、半年のクラブハウス運営で思いがけず明らかになってきた価値があります。 それは「多様な個性をもつ子どもたちも受容するセーフティネット」としての側面です。

コンピュータクラブハウスは、学校に居場所を見つけられない子どもたちの居場所・才能を伸ばす場所にもなっています。

個人が特定出来てしまうので詳細はwebに書きづらいのですが、例えば、学校に行っていない子や、様々な発達の特性により学校での学習がなじまない子などが、頻繁に来ていたりしています。

このように、学校で居場所が見つからない子、あるいは、学校外でデジタルを活用し才能を伸ばす子どもたちが育ってきていると感じます。

初期研修

その他に、8月に新規でコンピュータクラブハウスをオープンした国・市のコミュニティマネージャーが集まり、本部が提供する研修にアメリカ・ボストンいってきました。

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ボストンでの研修の様子

そこでは、主に「子どもたちが創造的に活動するための環境づくり」や「コミュニティマネージャーの役割」についてをみっちり5日間学びました。

企業とのコラボレーション

同じく8月にTech Academyさんとワークショップを実施しました。

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TechAcademy ワークショップ

ふるさとチョイスアワードでは優秀賞

また、12月にはふるさとチョイスアワードでプレゼンする機会に恵まれ優秀賞(最優秀賞は惜しくも叶わず!)をいただきました。

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プレゼンする末廣コミュニティマネージャー

昨年度ご寄付いただいたお金の使い道

いただいた寄付金については加賀市からみんなのコードに業務委託費用として一括して1,000万円が支払われ、みんなのコードが日々の出納を担当しています。

これまでの使途と、年度を通しての着地見込みは下図のようになります。

一番多いのが人件費で、コミュニティマネージャー・メンター・東京のみんなのコード本部からの応援スタッフ分(各種イベント時等)が含まれます。続いて、東京加賀間の出張旅費、上述のボストンでの初期研修の費用の順になります。設備については既に整備されていた加賀市ものづくりルームという部屋を本年度は使用している為、比較的少額です。本社管理費は経理・広報等の費用になります。

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来年度のこと

下記の今年度のクラウドファンディングページに記載しましたが、今年は2000万円を目標にクラウドファンディングを開始しました。

前年度では足りなかった設備類の充実、子どもたちを海外に連れていく機会を作りキャリアのエンゲージメントを高める機会提供、および同様の運営費用(人件費等)を募る為にクラウドファンディングの募集をさせていただいています。

その上で、来年度以降は皆様からのクラウドファンディングだけでなくその他の財源の確保方法(各種財団の助成金、企業版ふるさと納税一般財源等々)にもチャレンジしていきたいと個人的には考えています。

www.furusato-tax.jp

引き続き応援宜しくお願いいたします!