オンラインプログラミング教材始めました。

昨日プレスリリースを出しましたが、プログルというオンラインプログラミング教材をリリースしました。

proguru.jp

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開発を始めた理由

2020年小学校でプログラミングが必修化されます。ただし、幾つかの制約や実現への課題があります。

  1. 新規の時間ではなく総合的な学習の時間や算数、理科等の既存の教科の単元の中での実施が主流になります。「プログラミング入門」x「教科の学習」を両立出来る単元は正直中々ありません。
  2. インフラの整備が自治体ごとにバラバラです。
  3. 教員の現在のITリテラシーが平均的に高くなく、新しい事に取り組もうにも長時間労働の問題等もあり新しい事への学びがスムーズとは言い難い面があります。

先生の準備・ITリテラシーに左右されずに、教科の中でスムーズに、貧弱なITの環境でも使える教材が必要だと考え、昨年秋から開発の検討を始めました。

算数xプログラミングにした理由

開発を始める時に可能性のありそうな教科の教科書をまとめて買ってきました。

様々な教科の教科書を横断的に検討し、教科の面では算数にフォーカスしました。

よく上がる教科を今回我々が棄却した理由としては

  • 理科:小学校の理科は複雑な自然を体験/観察する事が重視され、ソフトウェアでのシュミレーション等は馴染みにくそうと考えました。
  • 図工:創作的な活動を考えるとScratchの車輪の再発明をするのはナンセンス。

等々です。

一方で小学校の 算数は「抽象的な概念の初歩段階を扱う」為、プログラミング入門との相性が全体として良さそう と考え算数にフォーカスすることを決めました。

公倍数xプログラミングにした理由

算数でも幾つか気になる単元があったのですが、既存の教科書の内容とソフトウェアエンジニア界隈で良く扱われる内容が重なる領域として公倍数xプログラミングを選びました。

ソフトウェアエンジニアの世界でFizzBuzz問題というコードが書けないプログラマ志願者を見分ける手法があります。

これと同内容が公倍数の単元で「1から数を数えて、3の倍数で手を叩いて、5の倍数だと足踏みをするゲーム」というのが出ていて「これは教材化するべきだろう」とほぼ即決しました。 (エンジニア界隈の言葉で言うと「小学生が必修化を通じFizzBuzz問題を理解出来る」という状態を目指すことになります)

どのような教材か

みんなのコードが従来押していたHour of Codeはビジュアルxドリル型のオンライン教材で、先生の指導が少なくても児童が各自のペースでプログラミング入門学習するのに適した教材です。

しかし、今回の我が国の必修化の文脈ではドリルの内容が決まっているがゆえに「教材とどう紐付けるか」というのがしばしばネックになっていました。

ビジュアル x ドリル型の良さは活かしつつ、プログルはそのままで教科の中で使えるように開発 しました。

どのように使って欲しいか

本教材は現状5年生算数の公倍数でしか使えません。

一方で必修化に際して「小学校の6年間で公倍数のプログルだけやってプログラミングをしたことにする」ようにはしてほしくないと考えています。

本教材により多くの先生に「これならプログラミング教育が自分でも始められる」とまずは気づいていただき 、そこから Hour of Code / Scratch 等の 他のプログラミング教材でのより深いプログラミング教育に興味を示していただきたい と思っております。