自己紹介・私がコンピューター科学教育普及に取り組む理由

自己紹介

利根川 裕太といいます。

一般社団法人みんなのコードの代表をしていて、日本国内のコンピューター科学教育(特にプログラミング教育)の普及活動をしています。

プログラミング教育の出会い

2014年10月、立ち上がりから携わっていたラクスル株式会社 (現在は非常勤)で 人事を担当している人から「一時間で非エンジニアにプログラミングのエッセンスを教えてほしい」との依頼を受け、 たまたま、 Hour of Code (アワーオブコード) の活動を知りました。

そのHour of Code のコンテンツが秀逸で、大人でも子どもでもプログラミングを初めて楽しく学ぶのにいいと思い 同2014年の12月のコンピューター科学教育週間に Hour of Code のボランティアワークショップの一日開催を経て、 この活動を日本に本格的に持ってこようと決めました。

Hour of Code って何?

f:id:yutatone:20160224100136p:plain 2013年にアメリカで始まった世界的なプログラミング教育の入門・啓発キャンペーンです。

アメリカのNPO Code.org がキャンペーンの主唱者です。

2015年は約20万のワークショップが世界180ヵ国以上で開催され、うち日本国内は約200箇所でした。

Code.org は発起人にFacebook創業者マーク・ザッカーバーグ氏やMicrosoft 創業者 ビル・ゲイツ氏が加わっていて、オバマ大統領もホワイトハウスに子どもを招きプログラミングを実施し、キャンペーンへの参加を呼びかけました。

日本国内では、Code.orgのグローバルな呼びかけに加えて、私達「みんなのコード」が企業、学校、NPO、ボランティア等々への参加を呼びかけています。

Hour of Code ではどんな教材を使うの?

実はどのような教材を使っても構いません。ScratchCodemonkey 等の"提携オンライン教材"もありますし、 紙ベースでの学習もOKになっています。

ただ、小学生に指導しやすいように Code.orgが用意している教材 があります。 f:id:yutatone:20160224095903p:plain 教材についてだけでBlogが5回くらい書けるのですが、ざっくり特徴を書くと

  • オンラインで無料提供なので、インストール/環境構築不要ですぐ使える。(タブレットでも使える!)
  • 世界的な企業協力で子どもに人気なキャラクターが使われていて子どもが遊び感覚でできる(今年はマインクラフトとスターウォーズが追加)
  • 日本語のブロックプログラミングなので、タイピングや英語の壁が無く始められ、繰り返しと条件分岐まで学習できる。 (中級者以上のコースでは、イベントハンドラーやJavaScriptのブロックプログラミング等もあります )
  • 各コースは10~20のステージになっているので、子どもが迷わず進める (少ない大人で多くの子どもが学習できる。その分、Scratch等と比べると自由度は少ないですが、)

いずれも「いかにカジュアルにプログラミングを始められるか」にフォーカスしていて、「プログラミングかじったことある人なら、思い立ってすぐに指導できる」 あるいは 「プログラミングしたことないけど、学校の先生も事前に準備すればワークショップ開催できる」 ようになっています。

目指すビジョン

元々は Hour of Code のコンテンツとキャンペーンの主旨が良いなと思い始めた活動でしたが、 やるからには大きな目標で取り組もうと、 「日本のコンピューター科学教育」をどうにかしようと考え、

コンピューター教育が学校教育に取り入れられ、
日本全国の子どもたちが楽しくコンピューターの内面に触れ、
21世紀を活きる力を身に着けることを私たちは目指します。

とのビジョンを目指し、一般社団法人みんなのコードを設立しました。

学校でのコンピューター科学教育普及に取り組む理由

ITが世の中の仕組みを変えるスピードは過去10年もこの先の10年もそのさらに先の10年も速くなりつづけています。

一方で、日本の義務教育においては、コンピューターの仕組みを教える時間がほぼ無く (中学校の技術家庭の単元にはありますが、実施状況は先生に依ってまちまちなのが現状です)

しびれを切らした、意識の高く経済的余裕のある家庭の子どもの プログラミング塾 が各地で伸びています。

21世紀を活きる力として、 「テクノロジーを原理のレベルから理解・活用する力」 は誰しもに行き届いていないといけないのは問題だと思い

Hour of Codeによるプログラミング入門をきっかけとした「コンピューター科学教育」の普及の為に活動をしています。