プログラミング教育の必修化までの道のりで予想される課題について
新成長戦略でプログラミングの必修化についてのリーク記事がでました。
官邸で示されるのはあくまで「方針」だけで、 官邸 → 文部科学省 → 各教育委員会 → 学校・教員 との具体的実施までのステップが肝要です。
この後、想定される課題を列挙しますと、
1. 各段階での目標整理
新成長戦略公表の段階では抽象的な表現にとどまるので、各段階でのゴール設定が必要になります。
成長戦略の想定する「 社会をリードする人材 」の教育の面と
公教育が想定する必要のある「 中間〜諸々の課題のある層 」への教育の面の
すり合わせが必要になってきます。
具体的には先行する諸外国での基準を参考にしつつ、
全教科のカリキュラムとの整合性を意識し、
各学校修了段階 → 各学年 での目標整理を実施する形になるかと想定されます。
2. 単元設計
各段階の目標が決まると、単元の設計が必要になります。
記事中での「ホームページ作成」がプログラミング教育かというツッコミは別としても、
狭義の「ソフトウェアのプログラミング」だけでなく、
- 「ロボやセンサー等のハードウェア」も含むのか
- フィジカルコンピューティングのレイヤーから扱うのか
- データベース、ネットワークといった領域を扱うのか
といった領域の議論や、既存の指導内容との整合性等を整理する必要があります。
3. 教材設計
単元設計の後、各単元の中での教材設計が必要になります。
といった論点やその効果検証が必要になります。
4. 指導者の育成
記事中では「産業界には、教材の開発や講師の派遣などで協力を求める考えだ。」とありますが、
公教育ですので、北海道から沖縄まで2万2千の小学校、1万1千の中学校で指導する必要があります。
- 「既存の学校の先生」で指導する形にするのか、
- 英語におけるALT(外国語指導助手) のような形で派遣するのか、
いずれにせよ指導人材の育成が必要になってきます。
その他平行して、
- 地域ごとの格差が激しいインフラの整備
- 世論の醸成(無関心 or 反対から賛成へ)
- 先行しての実証実験の実施
等が必要になってきます。
みんなのコードとしては、これらの課題を関係各方面と協調してクリアしていく所存です。
2016/4/16 21:10追記 導入にあたっては、何かの時間を削るという意思決定も必要かと。 政治レベルで必要な意思決定としてはこちらの方が難しいかと考えています。